犬の耳のこと、あまり知られていない大切な話

犬の耳の病気 犬の健康

犬の耳。毎日見ているようで、実はケアの加減が難しい場所ですよね。
「汚れていたら拭かなきゃ」「臭ったら洗わなきゃ」と頑張りすぎて、逆効果になっているケースも少なくありません。

実は、耳は「きれいにする場所」ではなく「変化に気づく場所」
今日は、愛犬の耳を守るための正しい知識と、シャンプー時のコツをお伝えします。

犬の耳の病気、3つのステップ

犬の耳のトラブルは、奥へ進行するほど重症化し、治療も大変になります。

外耳炎(いちばん多い)

場所: 耳の入り口〜鼓膜まで。

サイン: 耳をよく掻く、頭を激しく振る、茶色い耳垢、酸っぱい臭い。

中耳炎

場所: 鼓膜の奥。外耳炎が悪化して起こることが多いです。

サイン: 頭を傾ける(斜頸)、触ると痛がる、元気がなくなる。

内耳炎

場所: さらに奥、神経や平衡感覚に関わる場所。

サイン: ぐるぐる回る(旋回)、目が揺れる(眼振)、立てない。

※このサインが出たら、すぐに動物病院を受診してください。

耳のトラブルに注意したい犬種

体質や形によって、ケアの注意点が異なります。

  • 垂れ耳(蒸れやすい子) コッカー / ビーグル / ダックス / プードル / ゴールデン
  • 耳毛が多い(汚れが溜まりやすい子) プードル / シュナウザー
  • 皮膚トラブル体質(炎症が起きやすい子) 柴犬 / フレンチブルドッグ / レトリバー

※特に柴犬は、アレルギー由来の外耳炎が比較的多いといわれています。

「臭い」は体からのSOS

耳の臭いは、原因を特定する重要なヒントになります。

  • カビっぽい・酸っぱい: 真菌(マラセチア)の増殖
  • 生臭い・膿っぽい: 細菌感染(黄色ブドウ球菌など)
  • 甘い・脂っぽい: 皮脂過多(体質や食事の影響)
  • 無臭なのに黒い垢: 耳ダニの可能性

強い臭いや、2〜3日続く違和感があれば、早めに受診しましょう。
※臭いはあくまで目安です。確定診断は獣医さんによる検査で行われます。

シャンプーのとき、耳はどうする?

「水が入ったらどうしよう?」と不安になる飼い主さんも多いですが、
基本は「耳の中は洗わない」が正解です。

なぜ水を入れてはいけないの?

犬の耳道は「L字型」になっており、

  1. 水平方向に曲がっているため、一度入った水が排出されにくい。
  2. 残った水分が体温で温まり、耳の中が蒸れる。
  3. その湿気が、細菌やカビが爆発的に増える「温床」になる。

という特徴があります。

シャンプーのコツ

  1. シャワーを直接当てない: 顔周りはスポンジや手で濡らす。
  2. 綿は「入り口に置く」だけ: 奥に詰めると、水を吸収した綿が奥に押し込まれるリスクがあります。
  3. 無理に拭かない: 終わった後、入り口に見える水分をコットンで優しく吸い取るだけで十分です。

シャンプー後は、拭き湯で外耳をやさしく拭いてあげるだけでも十分です。
無理に耳の中まで触る必要はありません。

健康な耳は、本来ほとんど臭いません。
シャンプー後、「いつもと同じ匂いか」をそっと確認してみましょう。

拭き湯の仕方はこちらhttps://kotafukudo.jp/how-to/#wipe

小多福堂が伝えたい、本当の「耳ケア」

最近の獣医療では、「健康な耳なら、耳掃除は頻繁にしなくていい」という考え方が主流です。

  • 耳毛は抜かない: 無理に抜くと微細な傷ができ、そこから感染します。
  • 綿棒は使わない: 汚れを奥に押し込んでしまう原因になります。
  • 見る・触れる・嗅ぐ: 「いつもと違う?」と気づけることが、最高のケアです。

耳は、体の状態を映す小さな鏡。
「きれいにするため」ではなく、「今日も元気かな?」と確かめる時間。
それだけで、十分なケアになることも多いのです。

もし「いつもと違う」と感じたら、無理にケアを続けず、まずは獣医さんへ
早めの相談が、いちばんやさしい選択です。

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