小多福堂について
犬と人の、やさしい時間を。
小多福堂は、柴犬の「こたつ」と「ふく」との暮らしから生まれた、犬のためのスキンケアブランドです。
          私がつくるのは、自然由来の素材と伝統の知恵を活かした犬用石鹸(固形タイプの犬用シャンプー)。すべて手仕事です。
目指すのは、すべての犬が最期まで愛される社会。そして、災害時にも犬と一緒に安心して避難できる場所をつくること。売上の一部は保護犬活動へ寄付しています。
          「うちの子にいいものを」
          その選択が、どこかの犬の未来をあたためますように。
小多福堂が生まれた理由
        ポチが家族になったのは、30年近く前。
          弟が、生後6ヶ月で売れ残っていた柴犬を見つけて、大阪の実家へ連れて帰ってきたのが始まりでした。
初めてポチが我が家に来た日。
          リビングで家族が集まっていると、ポチは落ち着かない様子で部屋をうろうろして、しばらくしてから私の隣に来て、静かに伏せて寝転びました。
ポチは、柴犬らしい気の強さがありました。
吠えることもあるし、盛りの時期には夜泣きもすごかった(狼みたいな遠吠えも)。脱走もしばしば。シャンプーも、病院も大嫌いで噛みついてくるほど。
          でも会社から帰ってきた私を見ると、しっぽを振って喜んでくれたり、淀川の河川敷を思いっきり走ったりする“犬らしい犬”でした。
ポチは7歳を過ぎたころから、アトピー性皮膚炎の症状が出始めました。
最初は足を掻くだけだったのが、だんだん全身に広がり、毛が抜けて、皮膚が赤く爛れ、痒みで眠れない夜もありました。
病院へ通い、薬を飲ませ、薬浴も続けました。「これで治るはず」「これが正しい」と信じていましたが、ポチは薬を嫌がり、病院では震えていました。私は“治すこと”ばかりを優先してしまい、ポチを“安心させること”を後回しにしていた気がします。
高齢になると眠る時間が増え、足腰が弱ってきました。そして夜鳴きも始まりました。
          私はポチのそばに座り、声をかけながら、ただ撫でることしかできません。仕事で疲れて果てて、眠ってしまって起きることができない日もありました。
最後までポチの心細さをなくしてあげることができませんでした。
今もよく思い出します。そのたび、胸が痛み、悔やみます。
ポチとの暮らしを振り返ると、楽しい思い出もたくさんありますが、後悔していることがたくさんあります。
私にとって石けんをつくることは、「清潔にすること」ではなく「愛情を伝えること」です。ポチに伝えきれなかったことを、犬に分かりやすく伝える手段です。
犬が「臭う」「皮膚がただれている」は、避けられたり、捨てられる理由にもなっているそうです。
犬の“臭い”には理由があります。それが“健康な犬の匂い”なのか、“病気のサイン”なのかを、人が感じ取り犬を快適な状態に保つための手段が「犬に触れる」ことだと思うようになりました。
触れることは、いちばん身近な“観察”であり、“愛情表現”です。
その子のために食事を見直すことも、退屈そうにしていたら遊んであげることも、そして、石けんを使わず、ただ撫でるだけでも犬は人の愛情を感じ取ってくれます。
私は、臭いを消すことや、良い香りをまとわせるための石けんではなく、その犬の体の状態を感じ取ることができる石けんをつくりたいと思いました。
小多福堂は、石けんを売ることが目的ではありません。私の願いは、捨てられたり、愛情をかけられない犬がいなくなることです。
犬の体に触れることは、“いつもと違う”に気づくことでもあり、犬の心に触れ、人の愛情を伝えることでもあります。
          だから、臭うから、汚れているからといって遠ざけるのではなく、「どうしてそうなっているのか」を一緒に見つめてほしい。
そうすれば、捨てられる命や、振り向いてもらえない命を、救えると信じています。
犬を愛することは、最後まで犬として幸せでいてもらい続けること。
そのために、私は今日も石けんをつくっています。
        小多福堂が目指す未来
犬と人が、最期まで「ともに暮らせる社会」を。
小多福堂は、石鹸を売るだけの場所ではありません。犬という命を、あるがままに尊重するという当たり前のやさしさが、社会のすみずみにまで根づく未来を目指しています。
- 殺処分ゼロが「理想」ではなく「常識」になる社会
 - 犬にとってやさしいケアが、人の心も癒していく循環
 - 保護犬との暮らしが“特別”ではなく“日常”になる社会
 - 石鹸が、犬と人の信頼をつなぐ“道具”として機能する未来
 - 高齢になっても、病気になっても、最期まで一緒にいられる環境づくり
 - 災害時に、犬と一緒に避難できる社会の実現
 
看板犬
        こたつ:誰よりも優しい、いつもほがらかな王様。小多福堂ヒエラルキートップ。ふくちゃんの教育係。
        ふく:マイペースでやんちゃで食いしん坊。元気いっぱいの小多福堂のムードメーカー。こたつが大好き。
石鹸1個につき、100円を保護犬支援に寄附しています。
小多福堂の石鹸は、「うちの子にいいものを」という想いから生まれました。けれどそれは、どこかで傷ついた命にもつながっていると、私たちは信じています。小多福堂の石鹸1個につき、100円を保護犬支援に寄附します。
- 保護された子のごはん代
 - ワクチンや医療費の一部
 - ずっとのおうちと出会うための支援
 
「うちの子のため」が、「どこかの子のため」にもなる。
そんなやさしさが、少しずつ社会を変えていくと信じています。
店主紹介
          
            テーマパークのマーケティング部に在籍していたころは、ゲストの心を動かす体験づくりに夢中になっていました。
            その後、ミネラル化粧品メーカーでセールスマーケティングに携わり、肌に悩む人が“怖くない毎日”を過ごせるようにという想いで、日々のケアをどう伝えるかを考えてきました。
            そして今は、犬と人が穏やかに寄り添える時間をつくるために。
            小多福堂という小さな店を始めました。
            誰かのためにと思えない仕事は、きっと続かない。
            日常の、すぐ手が届くところに、
            “安心する=幸福である”という温かさがあると感じています。
            
