夏の終わりの養生:犬と人の皮膚を守る

犬の皮膚

夏の終わりは、皮膚トラブルの季節でもあります。
強い紫外線や汗、冷房の乾燥で、犬も人も皮膚が少し疲れているころ。
一見、涼しくなったように見えても、体の中はまだ「夏の熱」を残しています。

🐕 犬の皮膚がゆらぐ理由

犬の皮膚は人よりずっと薄く、外部からの刺激に敏感です。
犬は主にパンティング(呼吸)で体温調節をしますが、全身にあるアポクリン汗腺からじんわりと分泌液(汗)が出ています。この汗や分泌物が、夏の熱と湿気の影響と合わさることで、皮膚環境が悪化しやすくなります。

夏の終わりには、特に以下のようなサインが見られることがあります。

  • 皮膚をかゆがる
  • フケが出る
  • 毛がごそっと抜ける
  • 体臭が強くなる・皮膚がベタつく

こうした変化は、単なる季節の代謝だけでなく、高温多湿を好む常在菌(マラセチアやブドウ球菌など)が異常に増殖し、皮膚炎(膿皮症やマラセチア皮膚炎)を引き起こしているサインの可能性もあります。余分な皮脂や毛を落として秋の皮膚を迎える準備でもありますが、症状が続く場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。

🫧 犬と人の“養生洗い”

この時期におすすめなのが、「皮膚のバリア機能を守る」ためのやさしい洗い方です。

  • 犬のケア: 軽い汚れや日常の汗の拭き取りには、「拭き湯(ぬるま湯+石けんの泡)」でやさしく皮膚に負担をかけずに余分な皮脂や汚れを落とすケアが有効です。ただし、皮膚に赤みやかゆみがある場合は、獣医師と相談の上で適切な薬用シャンプーを選びましょう。いずれの場合も、シャンプー後は皮膚の根元までしっかり乾かすことが、菌の増殖を防ぐために最も重要です。
  • 人のケア: ぬるめのシャワーで、洗浄よりも保湿を重視。皮膚を守るには「落とすこと」よりも「残すこと」。必要な皮脂膜を取りすぎないよう、洗浄と保湿のバランスを見直す季節です。

🌿 和漢の考え方でみる夏の終わり

和漢では、夏の終わりを「湿熱(しつねつ)の残る時期」と言います。
この時期に体内に残った熱と湿気が皮膚トラブルや胃腸の不調を招きやすいと考えられています。

体内の熱をやさしく冷まし、血のめぐりを整えることが大切です。犬も人も、冷たいものを控えて、温かいスープや白湯で胃腸を整えてあげると良いでしょう。

外からのケアだけでなく、内からの“養生”も秋の皮膚づくりにつながります。

🐾 小多福堂のおすすめケア

秋の入口に、皮膚を「整える洗い方」を。それが、冬に向けてのやさしい準備になります。

今の時期におすすめの石けんは
温守湯石けん(当帰、甘草、紫根)
紫雲湯石けん(紫根)

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