犬の皮膚は、思っているよりずっと繊細です。
けれど、同時にとてもよくできた“守る仕組み”を持っています。
皮脂、毛、常在菌。
それぞれが協力して、外からの刺激や乾燥から体を守ってくれているのです。
だからこそ、小多福堂では「洗うこと」で奪いすぎないように、
泡の力よりも“やさしく整える力”を大切にしています。
🍃 犬の皮膚は人より薄くても、ちゃんと強い
犬の皮膚の厚さは、人の約3分の1ほど。
とても薄いのに、毛が密に生えているおかげで、
紫外線や摩擦、温度変化から体を守っています。
そして表面には、皮脂膜(ひしまく)と呼ばれるうるおいのベールが。
この皮脂膜は「天然の保湿クリーム」であり、
雑菌や乾燥から皮膚を守る大切なバリアです。
犬の皮膚は弱いわけではなく、
“守る設計が違う”だけなんです。
💧 洗いすぎると、バリアは壊れてしまう
人の感覚で「清潔にしたい」と思って、
つい頻繁にシャンプーしてしまうことがあります。
けれど、洗浄力の強い成分で皮脂を落としすぎると、
皮膚は乾燥し、かゆみやフケの原因になることがあります。
犬の皮膚の健康を保つのに必要なのは、
「落とすこと」よりも「残すこと」。
皮脂膜や常在菌のバランスが保たれていると、
自然と体はうるおいを保ち、においも穏やかになります。
🌿 小多福堂の石けんがめざすのは、“奪わず保つ”ケア
小多福堂の石けんは、
泡立ちの良さや香りの強さよりも、
「皮膚が気持ちよく呼吸できること」を大切にしています。
そのために、パーム油やパーム核油を使わない
パームフリー処方を採用。
オリーブ油・こめ油・ひまわり油(ハイオレック)など、
食用グレードの植物油だけを使っています。
これらの油脂が生む泡はやさしく、
必要なうるおいを残したまま汚れを落とします。
まるで、手のひらで包みこむような洗い心地です。
🫧 触れることでわかる「うちの子の肌」
泡を転がすとき、
指先に感じる小さなざらつきや、毛の流れ。
それは、その子の体からのメッセージです。
シャンプーの時間は、
ただ汚れを落とすだけの時間ではなく、
“今日のからだ”を確かめる時間でもあります。
洗うことは、触れること。
触れることは、守ること。
小多福堂の石けんが、その時間をやさしく支えられたらと思っています。
🪶 参考文献・出典
- Santoro D. Update on the skin barrier, cutaneous microbiome and host defence peptides in canine atopic dermatitis. Veterinary Dermatology, 2024.
→ 犬の皮膚バリアと常在菌の関係をまとめた最新レビュー。皮膚バリア機能の重要性を説明する根拠に。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vde.13215 - Olivry T. Is the skin barrier abnormal in dogs with atopic dermatitis? Veterinary Immunology and Immunopathology, 2011.
→ 犬のアトピー性皮膚炎では、皮膚バリア異常が観察されるというレビュー。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0165242711002637 - Marsella R. et al. Topical treatment with sphingolipids and glycosaminoglycans for canine atopic dermatitis. BMC Veterinary Research, 2020.
→ 皮膚バリアを補う脂質・糖鎖の外用効果を検証した研究。保湿・補修の根拠として引用可。
https://bmcvetres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12917-020-02306-6 - 小宮山祥太ほか「犬の真皮におけるコラーゲン密度の可視化」『日本獣医皮膚科学会雑誌』第30巻第4号, 2024年.
→ 犬の皮膚厚(腹部約1.03 mm)などの定量データ。皮膚構造を説明する際に有用。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjvd/30/4/30_24-007/_pdf - しま動物病院「犬・猫のスキンケア — 皮膚」
→ 犬の皮膚pH(6.2〜7.8)や皮膚の薄さについてわかりやすく解説。
https://www.shima-ah.jp/skin/ 

  
  
  
  

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