季節のうつろい
七十二候では「菊花開(きくのはなひらく)」といいます。
朝の空気が冷たく澄みわたり、菊の花がゆっくりと開きはじめるころ。
陽ざしはやわらかく、日中はぽかぽかと心地よいけれど、
朝晩はぐっと冷えこむようになります。
夏の疲れが抜けきらない体には、少しやさしすぎるほどの季節の変わり目です。
犬の養生
夏毛から冬毛へと衣替えが進むころ。
皮膚が乾きやすく、かゆみやフケが出やすい時期です。
お散歩のあとには「拭き湯」で足先や被毛をやさしく整え、
清潔にしながら保湿を心がけましょう。
ガーゼで軽く拭き取るだけでも、静電気や乾燥をやわらげてあげられます。
犬の毛が光を受けてふわりと揺れる瞬間、季節の喜びをいっしょに感じられます。
食養生で体の内側から整える
乾燥に負けない“しなやかな体”をつくるには、
水分と潤いを保つ食材を取り入れること。
鶏むね肉、豆腐、白ごま、れんこん、さつまいもなどがこの時期にぴったりです。
お腹の冷えを防ぐために、常温か温かいスープ仕立てで。
人の養生
冷えと乾燥がゆるやかに忍び寄る季節。
犬といっしょに歩く時間が、心と体の“あたため”になります。
帰ったら、あたたかい白湯やお茶で喉を潤しながら、
「今日の風、気持ちよかったね」と声をかけてみてください。
それだけで、心の奥が少しゆるみます。
🍵 この時期におすすめの茶葉・和漢ブレンド
🌼 1. 菊花茶(きっかちゃ)
- 効能: 目の疲れ・頭の熱・自律神経の乱れに◎
 - 味わい: やわらかく、ほろ苦さのあとに甘み。
 - おすすめの組み合わせ: クコの実+はとむぎ(巡り+潤い)
 
🌾 2. はとむぎ茶(ヨクイニン茶)
- 効能: 皮膚の代謝を整え、むくみや乾燥を緩和。
 - 味わい: 香ばしくてやさしい甘み。
 - おすすめの組み合わせ: 甘草少々 or 黒豆。
 
🍠 3. 黒豆茶
- 効能: 血の巡りをよくして、冷えを防ぐ。
 - 味わい: 香ばしく、やさしい甘みとコク。
菊花茶とブレンドしても◎。「夜のほっと時間」にぴったり。 
🍋 4. ゆず皮+陳皮(ちんぴ)
- 効能: 胃腸を整えて、気の巡りをよくする。
 - 味わい: 柑橘の香りで気分が軽くなる。
 - おすすめの組み合わせ: 菊花+はとむぎ or 緑茶。
季節の変わり目で気分が落ちやすい人にもおすすめ。 
🌸 5. なつめ+しょうが(紅茶ベースでも◎)
- 効能: 冷え・疲れ・気持ちの沈みに。
 - 味わい: ほんのり甘くて温かい。
菊花が“静”なら、なつめとしょうがは“温”。夕方や夜に飲むとリラックスしやすい。 
おわりに
菊の香りが、季節の静けさを教えてくれます。
自然は、急がずゆっくりと冬への支度を始めています。
犬も人も、乾かないように、冷やさないように。
やさしい光の中で、日々の養生を重ねていきましょう。

  
  
  
  

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