石鹸づくりは、油だけで決まるわけではありません。
実は、石鹸の性質に大きく影響するのが「水」です。
油脂の選び方や配合についてはよく語られますが、
石鹸のベースとなる水については、あまり触れられることがありません。
小多福堂では、石鹸に使う水にも理由があります。
今日は「精製水」を使う理由について書いてみます。
1. 日本の水は軟水。でも「完全な純水」ではありません
日本の水は世界的に見ても軟水と言われています。
ただし、水道水や温泉水には、微量ながらカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれています。
これらのミネラルは、石鹸と反応すると金属石鹸(石鹸カス)をつくります。
多くの場合はすすぎによって洗い流されます。
ただし、石鹸の設計を考えるときには、この反応もひとつの要素として考えておく必要があります。
2. 温泉水という選択肢について
温泉水には多くのミネラルが含まれています。
そのため石鹸に配合すると、金属石鹸(石鹸カス)が生まれる条件が増えることになります。
人の石鹸では温泉水が使われることもありますが、
犬の洗浄では使用環境が異なるため、小多福堂ではよりシンプルな設計を選びました。
洗ったあとに余計なものを残さないこと
を大切にしました。
3. 小多福堂が考える「洗浄」
小多福堂では、石鹸を「汚れを落とすための道具」としてシンプルに考えています。
犬の皮膚には、皮脂や微生物がつくる自然なバリアがあります。
そのため、洗浄は必要ですが、強すぎる洗浄はバランスを崩すこともあります。
小多福堂の石鹸は
必要な汚れは落とし、余計なものを残しにくい洗浄。
そのバランスを意識して石鹸の処方を設計しています。
4. 小多福堂が想定している「使用環境」
小多福堂では、石鹸が使われるさまざまな場面を想定しています。
たとえば、長毛種の犬。
密集した毛の奥まで泡が入り込むと、洗い流すのに時間がかかることがあります。
また、散歩から帰ったあと、
足やお腹まわりだけを軽く拭き取るようなケアをすることもあると思います。
小多福堂では、そのような場面に合わせて、
石鹸を溶かしてやさしく拭き取る「拭き湯」という方法も提案しています。
さらに、シャワーでのすすぎが難しいシニア犬や子犬の場合にも、
体に負担をかけにくいケア方法として使われることがあります。
このようなケアでは、すすぎの工程が限られます。
そのため、小多福堂では
石鹸の段階で余分な成分をできるだけ入れない設計を選びました。
5. 乾燥が強い場合の洗浄について
犬の皮膚の状態によっては、石鹸でも刺激になる場合があります。
たとえば、乾燥が強くフケが多く出ている場合などは、
皮膚のバリア機能が弱っている可能性もあります。
その場合は無理に石鹸にこだわらず、
- アミノ酸系
- ベタイン系
- グルコシド系
などの比較的やさしい洗浄成分のシャンプーを検討する方法もあります。
犬の皮膚の状態によって、合う洗浄方法はそれぞれ違います。
小多福堂では、石鹸だけにこだわらず、
その犬の皮膚に合う方法を選ぶことを大切にしています。
もし選ぶのに迷うことがあれば、飼い主さんと一緒に、
その犬の状態を教えていただきながら考えていけたら嬉しいです。
6. 小多福堂が精製水を使う理由
小多福堂が精製水を使うのは、
石鹸をできるだけシンプルな状態で作るためです。
水道水には微量ながら
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれています。
石鹸を使うときには、
これらのミネラルと石鹸が反応して金属石鹸が生まれることがあります。
これは石鹸の性質として自然に起きる反応で、
日本の軟水環境では多くの場合すすぎで洗い流されます。
なお、金属石鹸(石鹸カス)が必ずしも皮膚トラブルにつながるわけではありません。
洗浄で大切なのは
・すすぎが十分にできているか
・洗浄力が強すぎないか
・皮膚の状態に合った方法を選んでいるか
といった点です。
小多福堂では、
石鹸を作る段階では余計なミネラルをできるだけ入れず、
石鹸本来の性質をシンプルに保つために
精製水を使用しています。
今日の小多福堂
今日は、乾燥とフケが気になるミニチュアピンシャーの飼い主さんと少しメッセージをやりとりしてもらいました。
拭き湯を試してみたいとのことで小多福堂の石鹸を選んでくださったのですが、刺激にならないか少し心配で、こちらから様子を聞いてみました。
「ええ感じ」とのことで、ほっとしました。
犬の皮膚は本当にそれぞれ違います。
石鹸が合う子もいれば、シャンプーの方が合う子もいます。
その犬に合った方法を、飼い主さんと一緒に見つけていけたら嬉しいです。
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ちなみに今日は、ほうじ茶を入れようとして、急須の蓋をしたまま茶葉を入れてしまい、台所に茶葉を盛大に散らかしました。
こういう日もありますね。



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